永遠を渇望しながら拒絶する |
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父の耳についた金色のイヤリングをいつも羨ましく思っていた。 私には絶対につけられることのない、イヤリング。 たった一年、ほんの一年、遅く生まれた、それだけで。 私は絶対に、あの権力を得ることはできなくなってしまった。 ルナは私の一つ上のお姉様。 誰よりも努力家で、一生懸命で、そして優しい、自慢の姉。 あの人が未来の当主となるならば、きっとこんな鳥篭みたいな館だって、 素敵な楽園にしてしまえるのだろう。 だけど。 いつだって羨ましかった。 あれさえ。 あのイヤリングさえつけていれば、シエルテミナの決定権は全てその持ち主のもの。 当主にさえなれば、お姉様は自由になれる。 …私が、当主になれたら、チルタとずっといることもできるのに。 彼はただの護衛だから、どんなに頑張ったって私とチルタは恋人にも、家族にもなれない。 だけど、当主になれば。 自由に何でも決められるんだから、チルタと一生、一緒にいることだって。 このまま、このまま時が止まってしまえばいいのに。 そうすれば幸せなまま、チルタと一緒にいられるのに。 お姉様と、チルタと、三人、病気でどんなに苦しくても、 幸せに、しあわせに、生きていけるのに。 どうやったら、チルタは永遠に私のことを好きでいてくれるのかしら。 何をしたら、チルタは永遠に私を忘れないでいてくれるのかしら。 なんにしてもこんな不老不死の身体じゃ。 普通の人間のチルタはいつかおじいさんになってしまう。 その時を、私は足並みを揃えて歩んでいくことはできない。 チルタが、不老不死だったらよかったのに。 そうしたら永遠に、一緒にいられるのに。 どうしたら、チルタは永遠に、 …私がチルタの目の前で死んだら、彼は優しいから、 私のこと、忘れないでいてくれるかしら。 ラファさん。あの人の瞳。見たことがある。 お姉様は知らないみたいだけど、瑠璃色の瞳といえば、 滅んだはずのノルッセルの証じゃなかったかしら。 あの人の瞳を狙って、グランセルドでも襲わせて、 それでチルタを庇って死にでもしたら、私、ずっとチルタの心の中に生きていけるかしら。 …そうと決まれば、魔弾銃の用意をしなくちゃ。 (そんな過去夢の裏側のおはなし) |
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