2月25日 雨
まさか。
フェル様が私の母親だったなんて、そんなことってあるのかな。
なんだか遠い世界の話みたいでぼんやりして、よくわからないけど。
でも、だとしたらどうしてフェル様は何も言ってくれなかったんだろう。
第一の赤の巫子の眼って、なんでも見通すんじゃないの?
だったら、私がフェル様の娘だってすぐにわかるんじゃないの?
そもそも、私の父さんは…"神の子"を、フェル様を殺そうとした人で…
きっとそれにもなにか事情があるんじゃないかって、思ってたけど、
でも、何があったって、自分の奥さんを殺そうとするなんて、
それじゃ父さんは、私のお母さんを殺そうとしたってことなの?
うそでしょ。そんなの嫌だ。
チルタのうそに決まってるよ。

そう、そういえばね、エルミって女の子だったんだって。
しかもあの人があのエルミリカ・ノルッセルだったなんて!
エルディはそのこと、知らないみたいだけど…
でも、ちょっと納得。
だから女の子の気持ちはよくわかるし、ちょっと振る舞いが優雅だし、
孤児なのに頭もよかったんだね。
…なんでだろう、あんなにエルミのこと好きだったのに、
女の子だったって知ってもあんまりショックじゃないや。

それより、ラファのことが気になる。
もしも、私が本当にフェル様の娘だったとして、
チルタが言ってた、私の一族とラファの一族が仲が悪かったって話。
あれも本当だったとしたら…私、ラファと友達でいていいのかな。
いいよね。親がなんだって関係ないよね。
私とラファはいつまでも一緒にいられるよね。
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